東京都の森林と林業
東京都の森林
- 植生
- 東京都|森林の植生
- 東京の面積の約4割(約79,000ha)が森林、そのうち多摩地域には約53,000haの森林があり、山間地にはスギ・ヒノキ等の人工林や亜熱帯性針葉樹林・落葉広葉樹林等で構成される天然林が、市街地に近い丘陵地には多様な樹種が見られる雑木林等が広がっています。島しょ地域には約26,000haの森林があり、大部分が天然林で、島ごとに特徴ある景観を形成しています。
- 歴史
- 東京都|森林の歴史
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かつてはナラ・カシなどの広葉樹とモミ・ツガなどの針葉樹による自然林が広がっていた多摩地域の森林は、江戸時代に林業が始まると共に変化しました。多摩川に筏を流せば数日で江戸へ着く立地の良さから災害復旧時の用材提供の役割を担って発展し、100万人が住む江戸の地で人々の家、社寺や大名屋敷などの材料になりました。檜原村などでは薪炭材の生産が盛んで燃料材として暮らしを支える共に、度々大火に見舞われる江戸の町の再建にも多くの木材が使われました。
その後昭和に入り、世界大戦中には軍需による森林伐採や戦後復興のための大量伐採、1960年代の高度経済成長期における拡大造林を経て現在の人工林が形成されています。
- 特色
- 東京都|森林の特色
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第二次世界大戦後の拡大造林時に多摩地域で植林されたスギ・ヒノキのうち7割を占めるのがスギですが、花粉を多く発生する樹齢30年以上のスギ林が増加し「スギ花粉症」が問題化しました。
対策として、東京都では多摩地域の人工林を伐採し、代わりに花粉の少ないスギ等を植栽することにより樹種更新を図り、発生するスギ花粉量の削減を目指す「花粉の少ない森づくり」を進めています。
東京都の林業
- 資源の現状
- 東京都|資源の現状
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森林総蓄積は約1,650万㎥と全国の0.3%を占めており、天然林が506万㎥(広葉樹約86%)、人工林が1,140万㎥(針葉樹98%)となっています。森林総蓄積のうちの人工林の蓄積量は69%を占めているため、全国と比較して人工林率が高いことがわかります。(全国平均は64%)
人工林の齢級構成は、41年以上(9齢級以上)が約9割を占めており、大径木が多くほとんどの木が伐採期を迎えています。
- 素材生産
- 東京都|素材生産
- 全体の素材生産量は2万㎥で蓄積量の0.1%を利用している現状があります。樹種別生産量比較としてはスギが68%、ヒノキが27%となり、用途別生産量では製材用が0%、合板が0%、木質チップが100%となります。
- 木材流通
- 東京都|木材流通
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国産木材流通促進対策事業として、全国各地から木材を集荷する都内の木材流通事業者に対して、国産木材の取り扱いを拡大するための取組を支援しています。
国産木材の取扱量を前年よりも増加させた都内の木材流通業者に対しては、増加した国産木材を集荷する際に必要な経費の一部を補助する「国産木材の輸送に係る支援」、同様の支援を多摩産材についても行う「多摩産材の輸送に係る支援」が実施されています。
- 木材の利用促進
- 東京都|木材の利用促進
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・「とうきょう森づくり貢献認証制度」では、森づくり活動や多摩産材を利用した企業や都民に対して、二酸化炭素吸収量及び二酸化炭素固定量を認証しています。
・第二次世界大戦後の拡大造林政策で植林され、現在成熟期を迎えたスギ・ヒノキは、「とうきょうの木」というブランド材として活用が促進され、学校や庁舎、商業施設など様々な場所で使用されています。
・民間事業者が運営する施設で内装・外装の木質化や机、椅子、ベンチ、棚、間仕切りなどの什器等の設置を支援しています。
・東京都農林水産振興財団による積極的な多摩産材に関する補助金事業により、普及と利用促進を積極的に行っています。例えば「木の街並み創出事業」、「中・大規模建築物の木造木質化支援事業」等があります。
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