山形県の森林と林業
山形県の森林
- 植生
- 山形県|森林の植生
- 県土面積の約72%を占める森林の内、天然のブナ林は日本一の面積を誇っています。一方で、県全体の植生としては海岸地帯のクロマツ林やタブ林から、標高2,000mを超える山岳地帯には高山帯であるハイマツ林に至るまで幅広く分布しており、多様な樹種を有しています。
- 歴史
- 山形県|森林の歴史
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県の代表的な樹種はスギ、ナラ、ブナ類で、現在の森林植生はこれらで構成されています。
かつては県内の至る所にブナ林が広がっていましたが、天然林の利用伐採が1940年ごろから急増し、戦前~戦中は家具、床板、枕木などに、その後はパルプ・チップや建材に利用されてきました。1968年をピークに減少し続け奥地化し、今はほとんど利用がありません。
ナラ類は有史以来人里近くで主に薪炭林として伐採・利用され、萌芽更新を繰り返しながら維持されてきましたが、化石燃料社会の現在では伐採・利用がなく、50~60年生の萌芽更新能力の低下した森林となっています。
スギはほとんどが建築材に用いるために植栽された人工林で、戦後の木材不足にも対応し、今も里山に多く分布しています。
- 特色
- 山形県|森林の特色
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江戸時代から植林が行われてきた金山杉は、年輪が緻密で心材部の赤身が多くかつ人肌色で美しく、長伐期による大径木のため梁や桁など横架材も採ることができ、土台を除き住宅一軒分すべてを金山杉で賄うことができる程の優れた木材です。
戦後、伝統工法による家がハウスメーカーによるものにとってかわられる中で、1958年当時の町長が「美しい町並み形成」を街づくりのコンセプトとして提唱し、上述の特徴を持つ金山杉を活用した現在の美しい「金山住宅」の景観が形成されていきました。特に「きごころ橋」では、金山杉が職人の技によって見事に生かされ、「自然と調和した風景」の形成に一役買っています。
山形県の林業
- 資源の現状
- 山形県|資源の現状
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森林総蓄積は約1.2億㎥と全国の2.1%を占めており、天然林が5,047万㎥(広葉樹約93%)、人工林が6,596万㎥(針葉樹98%)となっています。森林総蓄積のうちの人工林の蓄積量は57%を占めているため、全国と比較して天然林が豊富であることがわかります。(全国平均は64%)
人工林の齢級構成は、41年以上(9齢級以上)が約9割を占めており、大径木が多くほとんどの木が伐採期を迎えています。
- 素材生産
- 山形県|素材生産
- 全体の素材生産量は36万㎥で蓄積量の0.3%を利用している現状があります。樹種別生産量比較としてはスギが93%、ヒノキが0%となり、用途別生産量では製材用が70%、合板が19%、木質チップが11%となります。
- 木材流通
- 山形県|木材流通
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情報募集中
- 木材の利用促進
- 山形県|木材の利用促進
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・2013年に「やまがた里山サミット」を設立し、「やまがた森林(モリ)ノミクス」が宣言されており、森林資源の適切な循環体系のための支援を行っています。
・「しあわせウッド運動(スタート・スクール・オフィス・ライフ)」と呼ばれる県民運動が行われており、乳幼児期、青年期、壮年期、日常生活などの各ライフステージにおいて木材に触れる生活を送ることを推進するための活動を行っています。
・やまがた県産木材利用センターでは、木造建築関係者や行政の建築担当者に向けて木材利用セミナー動画が無料公開されています。
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