
商品紹介
2023.3.14
国産木材として代表されるスギは、日本の人工林面積の4割を占めており、伐期を迎えていることからその積極的な利活用が求められています。一方で、スギは南洋材や北洋材、北米材等の輸入材と比較し強度が低く軟質な材質のため、建築材や家具、内装材としての競争力向上といった観点から様々な加工技術が開発されてきました。
今回は、軟質針葉樹の高機能化・高付加価値化を実現した加工技術の一つ「圧密加工」についての解説や、圧密加工された針葉樹の特徴、商品の紹介や納品事例などの特集をお届けします。
圧密加工とは、圧縮加工の一種になります。非常に似た用語となりますが、木材の圧縮加工方法には仮道管の伸長方向に対して平行に圧縮する「縦圧縮加工」と、垂直に圧縮する「横圧縮加工」に大きく分かれます。
圧密加工は、この横圧縮加工に含まれる加工方法になります。
一般流通する木材には圧密と圧縮という技術が用いられる事が多いですが、両者には大きな性能の違いが存在します。
圧密材は“プレス圧密”という技術で木材の面全体を長時間均一に圧縮します。
一度圧縮した材は時間経過や水濡れでも、圧縮前の状態に戻る事はほぼありません。この圧密の技術を持つ工場は全国の2箇所しか無く、とても希少な技術になります。
圧縮材は一般的にロール圧縮という技術で、木材の面に対してローラーで短時間で圧縮させます。
圧密材に比べると安価ですが、時間経過などで元の状態に戻りやすくなっています。
圧密加工された木材「圧密木材」は主に以下のような特徴があります。
軟質であるスギ・ヒノキを圧密加工することによって、木材の物性値が向上します。これは木材が緻密化されることによって比重が大きくなり、硬くなることに起因します。
数値で見るとその差は歴然で、一般的なスギの比重が0.38に対し、50%圧密したスギ圧密材は0.81と倍以上になっています。また、木材の変形のしにくさの指標である曲げヤング係数も大幅に向上しています。
丈夫とされるナラやカバなどの広葉樹と比較しても、十分な物性を持っていることがわかります。
化学物質を使わない加工という点も圧密木材の特徴です。一般的に木材を高機能化するためには、薬剤を含浸させたり塗布したりするなど化学物質が利用されます。しかし、圧密木材は化学物質を使わず、無垢の木材を煮沸、プレスした後、養生することによって製造されます。
そのため、化学物質による有毒性が一切なく安心安全に利用することができます。
商品名 | グレード | サイズ | 価格 |
---|---|---|---|
【岐阜県】スギ圧縮 | 小節 | 1820×100×15(mm) | 10,600円 / ㎡ |
【岐阜県】スギ圧縮 | 上小節 | 1820×100×15(mm) | 13,000円 / ㎡ |
【岐阜県】スギ圧縮(床暖) | 上小節 | 910×70×15(mm) | 16,500円 / ㎡ |
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これまで圧密材の納品先の大部分は学校や県庁などの公共案件が大半を占めていました。
それは地元の材を使って設計したい、地元の材はスギ・ヒノキしかないが…というニーズに応える物でした。土足や傷が付きやすい場所でもスギ・ヒノキが使え、産地指定×圧密という使い方が一般化しています。
一方で、圧密加工技術をもつ工場は全国に2箇所しかないこともあり、なかなか認知が広まっていないのが課題としてあります。スギ・ヒノキが国内人工林の大半を占め、さらに軟質針葉樹との相性が良い圧密加工は、国産材の利活用の架け橋になるのではないでしょうか。
また、産地指定×圧密のフレームワークはプロポーサルや設計のストーリー作りに大きく貢献します。
森未来では、全国の地域材の調達や加工までをワンストップで行うことができます。もちろん、今回紹介した圧密加工にも対応できますし、サンプルのご提供も可能です。気になる方は、ぜひ、お問い合わせ下さい。
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