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2023.4.10

【性能保証付!】木質建材の防腐・防蟻処理|AZN処理特集

eTREE編集室

建築材料として木材をみると、欠点として挙げられるのは「腐朽・シロアリ被害」ではないでしょうか。確かに木材は鉄やコンクリートよりも寿命が短い材料です。

しかし、木材は「手作り感」や人の心を和ませる「潜在的な親和性」を持つという点が鉄やコンクリートと大きく異なる特長であり魅力でもあります。

そこで今回は、木材、木質建材の魅力を活かしながら高い耐久性を付与した「AZN処理」について詳しく解説します。屋外で木材、木質建材の使用を検討している方は、是非、ご気軽にご相談下さい。

AZN処理の4つの魅力

AZN処理の大きな魅力は、以下の4つになります。

  1. 集成材、CLT、LVL、合板や切削加工後の木材などほとんどの木質材料で対応が可能
  2. 水を一切使わない乾式加圧処理法のため、木材の含水率をほぼ変えず、寸法変化はわずか±1%程度で仕上げることが可能
  3. 色がほとんど変化しない(素材により注入処理後に濃色化することがあるが、薬剤が無色のため短期間のうちに元に戻る)
  4. 防腐・防蟻処理性能の10年保証制度あり

AZN処理材の概要

木材、木質建材の三大欠点である「燃える・腐る・曲がる(変形)」のうち、AZN処理材は施工後の「腐る(シロアリ被害含む)」と薬剤処理中の「曲がる(変形)」に対応した処理木材です。
減圧・加圧による薬剤注入により木材の奥深くまで薬剤が含浸することで、防腐・防蟻性能が長期間持続する材となります。
また、薬剤の溶媒には水を使用していないため、含水率変化に伴う木材の膨潤収縮といった寸法・形状変化が生じにくく、木材・木質建材が元来持っている特長を変えずに耐久性を強化した木材となります。

写真提供:兼松サステック株式会社


そのため、加圧注入方式の防腐・防蟻処理で一般的に用いられる湿式処理(主に水を溶媒とした薬剤を用いる処理)では推奨されないエンジニアリングウッドやKD材など、ほとんどの木質建材に対応が可能です。近年、中大規模木造建築で注目されるCLTや製材品を木ダボで固定したDLTにもAZN処理が可能です。

AZN処理について

木材保存剤AZNは、加圧式木材保存処理によります。加圧式木材保存処理とは、「溶媒に溶解させた保存処理剤を減圧・加圧して木材内部に注入する」という日本産業規格JIS A 9002木質材料に準じた処理になります。

加圧式木材保存処理には、湿式処理乾式処理の2種類の方法があります。

項  目乾式処理湿式処理
使用薬剤(溶媒)の特性油溶性(非極性溶媒)水溶性・乳化性(水・極性溶媒)
処理後の寸法変化小さい大きい
再乾燥の有無再乾燥は不要再乾燥は必要
その他事項集成材等の乾燥した材料の処理に最適な処理方法集成材等の乾燥材料の注入後に再乾燥工程が必要
出典: 公益社団法人 日本木材保存協会  発行「木材保存 Vol.42-3」より一部抜粋

湿式処理と乾式処理とで製造工程に大きな違いはありません。表から分かるとおり、両者の違いは溶媒に水を使っているかいないかになります。

木材搬入の様子
写真提供:兼松サステック株式会社

湿式処理は、木材中に溶媒である水が一緒に注入されてしまうため、木材が膨潤収縮することにより、変形が起こりやすくなります。このため、処理後は再乾燥が必要で、変形の状態によっては修正加工も必要となります。

乾式処理は、非水溶性溶媒を使用しているため含水率がほとんど変化せずに加圧処理が可能です。また、溶媒は低沸点のため、AZN薬剤を木材内部に含浸させた後高周波による低温加熱で溶媒のみを揮発させ、回収し再利用します。木材に臭いが残ることもありません

乾式処理木材は含水率変化、変形がほとんどないので、処理後の再乾燥や修正加工が不要ですぐに出荷でき、湿式処理木材に比べ養生時間を大幅に短縮できます。また、AZN薬剤は、急性経口試験LD50において食塩よりも低毒性であることが証明済みで劇物・毒物に該当しません。さらに、水に溶けないことから雨水による薬剤の溶脱がほとんどなく、少量で防腐・防蟻効果を発揮します。

経年変化について

写真提供:兼松サステック株式会社

上の写真は、AZN処理木材と未処理木材の野外杭試験(JIS K 1571準拠)の比較です。試験地は、腐朽菌およびイエシロアリの生息地である鹿児島県日置市吹上で、大学・研究機関も試験を実施する日本有数のシロアリ・腐朽菌の生息地です。写真からも分かるとおり、AZN処理木材が14年経過しても原型を留めているのに対し、未処理木材はわずか1〜2年で腐朽やシロアリ被害が現れています。

このことからも、AZN処理木材の耐久性の高さが分かります。

導入事例

国立競技場

写真提供:大成建設株式会社
写真提供:大成建設株式会社

兼松サステック株式会社の木材保存の技術は国立競技場に採用されました。

金沢駅前鼓門

写真提供:兼松サステック株式会社
写真提供:兼松サステック株式会社

AZN処理木材は、公共建築物や一般住宅の外構部はじめ様々な場所に使用されています。

性能保証について

建築物に使用される木材の性能保証」については、シロアリに関する第三者保証は以前からありました。しかし、その保証範囲は在来シロアリ(ヤマトシロアリ、イエシロアリ)を対象としたものが多く、近年多く報告されているアメリカカンザイシロアリや腐朽菌の被害は対象外とされていました。

一方、AZN処理木材の性能保証は、アメリカカンザイシロアリを含むシロアリと、腐朽菌の被害を対象とする非住宅向け防腐・防蟻10年保証となってています。(ただし、現時点では代替材へのAZN処理または代替材の提供のみで、交換に伴う工事費などは対象外。)

森未来では、これらAZN処理木材の販売およびサンプルの提供も可能です。またAZN処理木材の使い方やメンテナンス等が気になる方も、是非、お問い合わせ下さい。

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