FM認証 宮城県

南三陸森林管理協議会

復興へ向けて歩む町のFSC

宮城県南三陸町は伊達政宗公の時代からスギの良産地として知られ、『南三陸杉』のブランド化に取り組んできました。現在はスギの他にアカマツやヒノキも取り扱っています。東日本大震災では非常に大きな被害を受けましたが、震災からの復興に向けて力強く動いています。FSC認証は、復興に向けた取り組みが進められる2015年に町有林を含む複数の森林で取得しました。

ふるさとへの還元を目指して

FSC認証取得の検討は、実は震災以前から行われていました。中心となっていたのは、地域の林業関係者有志で結成された林業研究グループ「南三陸山の会」です。当時は認証に掛かる費用対効果を見いだせず足踏み状態でしたが、震災を境に利益を優先していたこれまでの考え方に変化が起こりました。そして町で官民共同の復興構想が動き出した流れも受け、認証取得に向けた再検討が始まりました。議論の中で出した答えは、「地域の山が一緒になって認証を取得してこそ、南三陸の林業と自然に還元できる」ということ。この思いは、協議会が設立される基となりました。森林管理への客観的な評価の必要性を説明する動きを続け、ついにFSC認証を取得しました。

FSCが結びなおすコミュニティ

FSC認証製品を出すこと以上に重きを置いているのが、「認証材を出すこと」です。同じ南三陸町の事業体「入谷YES工房」はこの動きに賛同し、協議会のFSC認証材を使った商品製作を行っています。震災後、被災した人々が交流できて働ける場所を作ろうと「南三陸復興ダコの会」が結成されました。この会が廃校となった中学校にオープンさせたのが、入谷YES工房です。工房では地域の素材を活かすことを基本とし、FSC認証材の他、津波を被った塩害木や倒木もスタンプなどの製品として生まれ変わらせています。震災で一度は失われたコミュニティ。その再構築に、FSC認証材や地域の材を使った製品作りが一役買っているのです。

つながり合う海と山に見守られて

南三陸町には、水産業でも国際認証を取得している地区があります。食べ物の場合は、環境に配慮した生産方法がそのまま味や品質のバロメーターとなる、というわかりやすさがあります。この取り組みは、FSC認証にも追い風を吹かせてくれました。FSC認証も、同じように「良いものをつくる国際認証」として見てもらえるのです。これからやっていきたいことは、「こんなに環境に配慮した町づくりをしている場所に住んでみませんか?」という外部への発信です。地域の自然がお互いに感謝しあう関係、これに基づいた南三陸町の取り組みをメッセージに託して届けたいと願っています。

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