FM認証 三重県

尾鷲林政推進協議会 おわせ森林管理協議部会

伝統の林業地

三重県南部に位置する尾鷲市・紀北町は尾鷲林業で知られる地域で、面積の9割が森林です。大台ケ原が北風を遮り、熊野灘の黒潮の影響で暖かい海風が吹く温暖な気候ですが、年間降水量が4000 ㎜を超える多雨地帯でもあります。およそ400年にわたる歴史で育まれた尾鷲林業の人工林は、下層植生が育ち、多くの生物が生息しており、日本三大人工美林の一つに数えられます。

FSC認証と日本農業遺産の両輪

伊勢志摩サミットを迎えたころ、三重県知事がFSC認証を広げることを明言したことにより、県内でFSC認証の取得が増加しました。しかしなかなか定着せずに取得を取りやめる事業者が相次ぎました。残ったのは元々認証を取得していた尾鷲市や速水林業などだけ。そして2017年、尾鷲ヒノキ林業が日本農業遺産に認定されました。その時、FSC認証と日本農業遺産の方向性が一緒だということに気づき、2つの歯車がかみ合って面白いように森林計画が進んでいきました。尾鷲林政協議部会が尾鷲市に、紀北町と速水林業とでグループ認証を取得することを提案。そして2019年に個人山主を含む尾鷲林業地のFSCグループ認証が誕生しました。

山で完結するサンプライチェーン

山から木を出して、市場に運び、製材所で加工する。川の流れに例えて「川上―川中―川下」と言われるこのチェーンは、距離的に間延びしてしまうのが一般的です。しかし、尾鷲林業地域ではもともと山を持って素材生産をしていた製材事業者業者もいることから、山から麓までの短いスパンの中で地域産材を出すことができます。これに加え、尾鷲・紀北町地域がグループ認証として地域林業を計画することで、伐採量も調整でき、FSC認証がついた地域産材としての立ち位置を確立することができました。

後継していくために

全国的に見られる森林の未植林地の増加や林業従事者の減少は、この地域でも起こっています。チューブ苗による作業効率化や学校教育の中で植樹体験を行うなど、今までを引き継ぐだけでなく、これからのことも意識しています。その中で、FM認証林を単純に増やすのではなく、FSC認証や日本農業遺産、尾鷲林業の理念に共感してグループに参加してもらう。これによって、森林に携わる人々を増やしていきたいと考えています。伝統とチャレンジ精神を持ち、林業を通じて地域社会に貢献すること。このことが、ひいては地球環境に貢献することにつながっていくと信じています。

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