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2024.4.20
大事にしている木製品に変色を見つけたらショックを受ける方も多いのではないでしょうか。
木材の変色を完全に防ぐ方法はありません。
しかし、変色してしまっても原因によっては補修が可能です。
本記事では、木材が変色する原因と変色防止の方法について解説します。
合わせて、変色してしまった後の補修方法についてもご紹介しますので、木材の変色に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
目次
木材が変色した場合の対処法を下記2つの症状別にご紹介します。
使っている木材の色が変わってしまったら、原因を把握してすぐに対処する必要があります。
放置すると、木材が腐敗する可能性があるためです。腐敗の段階まで進行すると、修復は困難になります。
木材が白くなる原因のほとんどは「オイルの吹き戻し」です。
オイルの吹き戻しとは、仕上げに使用したオイルが染み込んだ後に、経過変化で表面に戻ってくることをいいます。
吹き戻したオイルが木材の表面で乾燥することで、木材が白く変色したように見えます。
木材が白くなっているのを見つけたら、次の手順で補修しましょう。
木材が黒く変色する原因は「カビと苔による腐食」であることがほとんどです。
湿気が多い日本で、よく見られる現象と言えます。
カビが発生すると、木材の奥に根を張り侵食するので、早めの対処が肝心です。
カビが原因で木材が黒く変色した場合は、下記の方法で保守しましょう。
木材が変色する原因の代表的なものは、下記の5つです。
①光|紫外線による影響
②雨水|脱色と劣化に関係
③熱|熱分解による酸化反応
④金属・アルカリ|タンニンと化学反応
⑤微生物|木材腐朽菌の繁殖
それぞれについて、原因と仕組みを解説します。
日光に含まれる紫外線は、木材に大きな影響を与えます。
紫外線には、木材に含まれるリグニンと抽出成分を分解する作用があるからです。
抽出成分とは、木材の色合い、香り、耐久性などを科学的に特徴づける成分を指します。
紫外線によって分解された成分が変性していく過程で、変色が起きます。
紫外線による変色の影響は木材の表面にとどまるため、表面を削れば元の色へと補修可能です。
木材には、組織の骨格を形成しているセルロースを補強する役割のある「リグニン」が含まれています。
リグニンは紫外線で分解されると水に溶けやすくなる成分です。
そのため、雨水に晒されることで外部に流れ出てしまいます。
木材はリグニンを失うことで風化が進行しぼろぼろになるため、結果的に灰色に変色します。
木材は高熱が加わることで熱分解が起こり、酸化反応が促進されるため、変色します。
これは、木材の中のポリフェノール類が酸化酵素によって酸化されるためと言われています。
切ったりんごが、空気に触れることで変色するのと同じ現象です。
熱による変色は人工乾燥の時によく見られる現象です。
そのため、一般的な木材の使用状況で熱による変色が起きるケースは少ないでしょう。
木材の上に、釘のような金属を木材の上に長期間置いておくと、黒く変色することがあります。
これは金属が木材と長期間接触することで、木材に含まれるタンニンが水分を介して化学反応を起こし、黒色化合物を生成するためです。
タンニンの化学反応は、石けん成分を含むクリーナーのようなアルカリ性の物質との接触でも起こります。
木材は条件が揃えば、木材腐朽菌やカビなどの餌となり、変色菌が繁殖しやすい環境になります。
生物汚染による変色は、次の3つの要因で発生します。
微生物が原因で変色してしまうと元に戻すのが困難になるため、菌やカビが発生しにくい環境を作ることが重要です。
木材の変色を防ぐには、変色につながる原因を取り除くことが大切です。
ここでは、木材の変色を防止する方法について解説します。
木材の変色を防止する方法は、主に下記3点です。
木材の変色の最も多いケースとして、紫外線の影響によるものが挙げられます。
そのため、直接光が当たらないようにするのが最も効果的な対策です。
室内であれば光を遮るよう、レースカーテンをつけたり、窓ガラスをコーティングしたりするのが良いでしょう。
移動できる家具であれば、直射日光が当たらない場所に配置するのもおすすめです。
屋外の場合は全ての日差しを防ぐのは難しいこともあるでしょう。
しかし、日差しを遮るようなシェードを使用すれば、直接日差しが当たるよりも、変色を抑えられる可能性があります。
木材に当たる紫外線を和らげるために、専用のワックスを使用するのもおすすめです。
変色を完全に防止することはできませんが、変色のスピードを抑えることはできます。
酸化チタンを配合したワックスや紫外線を吸収する成分を含んだウレタン塗装などが有効です。
経年変化や風化による変色を完全に防ぐのは難しいものです。
定期的に木材専用のワックスや蜜蝋、オイルなどを使ってメンテナンスを行いましょう。
メンテナンスでは、木材の表面に付着した汚れを落としてしっかり乾燥させてから、専用のオイルやワックスを塗る簡単なもので構いません。
塗ることで木材の表面を保護し、水分や乾燥、極端な温度変化によるダメージから木材を守ります。
変色を防止するよう対策しても、変色を完全に抑えることはできません。
ここでは、時間の経過とともに変色してしまった木材の色を戻す、下記2つの方法を紹介します。
紫外線が原因の「日焼け」による木材の変色は、表面の数mmにとどまります。
そのため変色した部分のみを削り、再塗装することで補修が可能です。
再塗装の手順は下記の通りです。
石けん成分を含むクリーナーなどアルカリ性の物質を使用すると、化学反応により変色することがあります。
その場合は、お酢のような酸性の物質で拭くことで中和され、元の色に戻ります。
ただし、無塗装の木材にアルカリ性のクリーナーを使用すると、変色や劣化を進める可能性があるため注意しましょう。
木材の変色を完全に防ぐことはできません。
しかし、変色を経年変化と捉えて味わえれば、木材を使用する楽しみが増えるかもしれません。
ここからは、経年変化を楽しめる樹種についてご紹介します。
経年変化によって色合いが変化する樹種には、下記のようなものがあります。
ブラックチェリーは、木材の中でも経年変化が大きい樹種です。
淡い桃色の木肌が、時間と共に深みのある飴色に変化するのが特徴です。
オイル仕上げにすると、木目に沿ってオイルが染みこむため、木目の濃淡がより目立つようになります。
定期的にオイルを塗るメンテナンスは必要ですが、美しい木目を長く楽しめる樹種です。
ブラックウォールナットは深みのある、濃いブラウンが洗練された雰囲気を持つ木材です。
もともと濃い色だった木材が、経年変化で明るい色合いになるのが特徴です。
また、時間が経つと色が明るくなる分、木目が際立ち美しい表情が出るようになります。
アンティークとしても高値で取引される人気の樹種です。
独特の香りで人気の高いヒノキも、経年変化が楽しめる樹種です。
製材直後は白に近い色合いですが、経年変化で褐色に変化します。
ヒノキは直射日光が当たらない環境でも色が変化しやすく、短い時間でも表情の違いを楽しめるのが特徴です。
パイン材は温度や湿度の影響を受けやすく、経年変化も進みやすい樹種です。
製材直後は黄色がかった色合いをしていますが、年数と共に褐色に変化します。
また、使うほどに艶と光沢が出るのも特徴と言えるでしょう。
ホワイトオークは広葉樹の中でも高級と言われる木材です。
オーク材はもともと耐水性や耐久性が高く、経年変化はあまり大きくありません。
そのため、使う場所の印象をあまり変えたくない場合にも取り入れやすい樹種と言えます。
オークの色合いの変化は、少し色が濃く、黄みを帯びたベージュ色になるのが特徴です。
木材が変色する原因は、紫外線や雨水、熱や金属などがあります。
紫外線や金属、アルカリなどが原因の場合は、変色が木材の表面にとどまることがほとんどです。
そのため、変色しても再塗装や中和剤を使用すればほとんどの場合、修復可能です。
しかし、腐食や劣化などが原因の場合、木材の内部まで傷みが入ってしまうと補修は難しくなります。
そのため、腐食や劣化につながる原因を、あらかじめ防ぐように対策することが重要です。
ただ「変色」という言葉には悪いイメージもありますが、木材に関しては、経年変化を楽しめるという側面もあります。
時間の経過とともに味わいが出る「変色」が特徴の樹種を選ぶことで、メンテナンスしながら色合いの変化を楽しめることでしょう。
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