木材加工

2025.1.30

木材の面取りとは?実は重要な理由や基本的な加工例を解説

eTREE編集室

木製の家具や製品の断面を触ってみると、滑らかな角面や丸面の形状になっていることをご存じですか?

これは「面取り」という加工が施されており、接触時の怪我の防止など、安全面においても実は重要な役割を果たしています。

本記事では、木材の面取り加工の目的や具体的な種類を紹介するほか、DIYで行う面取り加工方法について、身近な道具別に解説します。

面取りとは

面取りとは、木材の鋭利な角部分を除去し、滑らかな角面や丸面の形状へと加工することです。

日常的に使用する机や椅子などの木製家具にも、実は面取りの加工が施されています。

面取りの手法はさまざまあり、見た目の印象を大きく変えることもできます。

シンプルな面取りはそれほど難易度が高くないため、DIY初心者の方でも、手軽な道具で取り掛かることが可能です。ただし、均一で美しい仕上がりにするためには、ある程度の知識や経験が必要となってきます。

面取りが必要な理由 

木材の面取りの加工は、なぜ必要なのでしょうか。面取りが持つ役割とその理由について、主な2点をご紹介します。

  • 安全性の向上
  • 装飾

安全性の向上

カットした直後の木材は、断面がほぼ直角となるため、角が鋭利になっていたり、バリ(加工後にできた出っ張りやギザギザの部分)が発生することがあります。

この状態の木材を素手で触れたり、そのまま使用すると怪我をする恐れがあり、非常に危険です。

そのため、面取りを行い木材の角を丸めることで、怪我の防止や安全性の向上につながります。

特に子ども向けの製品として木材を扱う場合は、可能な限り丸みを帯びた加工を施すことがおすすめです。

装飾

面取りには装飾の役割もあり、「飾り面取り」とも呼ばれます。

装飾としての面取り加工は、主に建築部材や家具などに施されることが多く、カットや加工方法によって、装飾のデザイン性を高めることができます。

シンプルな印象から華やかな印象まで、面取りの手法によって、見た目の印象を大きく変えることが可能です。

凝った装飾の場合、手作業で行うには高い技術が必要となるため、家庭でのDIYなどでは、トリマーという機械を使用することが多いでしょう。

面取りの種類

面取りの加工方法の種類は多くあります。ここでは基本的な加工方法である「糸面」「R面」「C面」の3種類のほか、次の7種類についてもご紹介します。

  • 糸面
  • R面
  • C面
  • 加工なし
  • サジ面
  • ギンナン面
  • B面
  • E面
  • M面
  • ボーズ面

糸面

糸面取りとは、木材の角部を目に見えない程度に、糸のようにごく細く削る方法です。一般的には、0.1〜0.3mm程度の削り目が目安とされていますが、形状や寸法は明確には決められていません。

糸面取りは、主にバリ取りを目的としているため、時間やコストをかけずに家庭でも手軽に行うことができます。一方でシンプルな加工となるため、他の基本的な面取り方法と比べて、安全性はやや低くなります。

R面

R面取りとは、木材の角部に丸みをつける加工方法です。R面の「R」は「Radius(半径)」を意味し、「R加工」や「ラウンド加工」とも称されることがあります。丸みを帯びた加工となるため、手触りも良く仕上がりますが、加工には手間と時間がかかる傾向があります。

C面

C面取りとは、木材の角部を斜め45度に削り落とす加工のことです。最も一般的な面取りとされ、面取りと言うと、C面取りを指す場合が多いでしょう。「角を取る」という目的では、最もシンプルな加工方法です。

C面の「C」は「Chamfering(面取り)」の頭文字を意味します。

加工なし

木材の木口、木端のノコ目(切断した跡)だけを磨いた状態のことです。

サジ面

サジ面取りとは、木材の角を匙(さじ)で掬い取ったような、丸くくぼんだ面取りの加工方法のことです。

額縁やキャビネットのパネルなどで用いられることが多く、装飾的な効果の高い加工です。

ギンナン面

ギンナン面取りとは、銀杏(ぎんなん)のような形に加工する面取りの方法です。曲線の柔らかな印象と段差の加工が特徴的。

B面

B面取りとは、木材の角面を斜めに削り落とし、丸みをつけない加工方法です。

E面

E面取りとは、木材の角面の縁を10mm残した形で、斜めに削り落とす加工です。傾斜の角度は、B面、C面よりも緩やかになります。

M面

M面取りとは、木材の断面に15度の角度をつけて削り落とす加工方法のことです。

ボーズ面

ボーズ面取りとは、木材の断面に対して緩やかな丸みをつける加工のことです。横から見た切断面は、かまぼこのような形になります。

【道具別】面取りの加工方法

DIYで面取りを行う場合は、ホームセンターなどで手に入る身近な道具を使って加工できます。

ここでは代表的な3つの道具別に、特徴や面取りの加工方法についてご紹介します。

  • サンドペーパー
  • トリマー
  • 鉋(カンナ)

サンドペーパー

DIY初心者にまずおすすめな道具は、サンドペーパーです。

ホームセンターや100均などで、安価で手軽に手に入れることができます。

サンドペーパーを用いて面取りをする場合は、木材の角部を擦るように研磨を重ねる必要があります。

まずは100番以下の目の粗いサンドペーパーで縁を擦り、仕上げは中目や細目のものを使うことがおすすめです。

手で擦る場合は丸面加工が基本です。

角面を取りたい場合は、サンドペーパーを角材の切れ端などに巻いたり、専用のホルダーを用いることで、均一な作業ができます。

トリマー

DIYに慣れてきた方で、精度を重視する場合は、電動工具のトリマーがおすすめです。

トリマーは木材を削る加工ができる切削工具で、本体のトリマーに、ビットと呼ばれる先端に歯がついた工具を組み合わせて使用します。トリマーは、ビットを高速回転させることで、面取りなどの木材の加工ができる仕組みです。

トリマーは角度が一定となるため、均一な作業が可能で、安定感に優れています。扱いに慣れれば非常に便利な工具ですが、事前に一通りの正しい使い方を学び、一定の練習を行う必要があるでしょう

まあ、トリマーを使用する場合、本体とビットを揃える必要があります。ビットには用途によってさまざまな種類があるため、事前の下調べやお店で相談してみることがおすすめです。

鉋(カンナ)

鉋(カンナ)とは、木材を削る木工用の工具用品の一つです。カンナで面取りをする場合は、木材の端から端までを一直線に削るようにするため、綺麗な面取りが可能です。

鉋を使用するためには刃を研いだり、鉋台の仕込みが必須となり、技術や知識も求められます。大工が使用するような伝統的な工具であるため、取り扱いのハードルは高く見られがちです。

一方で、現在では替刃式の鉋や台がアルミ製の鉋もあるため、種類を選べばDIYでも取り入れやすい工具でしょう。扱いに慣れれば、素早く綺麗な面取りが可能となります。

まとめ

今回は木材の安全性を高めるほか、装飾的な役割も持つ面取り加工について解説しました。

面取りは加工の手法によってさまざまなバリエーションがあり、用途や目的、デザインに応じて選択できます。

木材でのDIYでも、怪我の防止や仕上がりの点で、面取りは非常に重要な工程です。サンドペーパーやトリマー、鉋など、面取りで使う道具はそれぞれに一長一短のため、目的に応じて道具を使い分けることがおすすめです。

ぜひ一度、面取り加工に挑戦してみてください。

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