チーク材とは?|特徴やメリットデメリット、代用となる木材についても解説

eTREE編集室

古くから、建造物の内装材などで使われているチークは、高級木材としても人気の高い木材です。

木材を利用している方にとっては「チーク材にはどのような特徴があるのか?」「チーク材を使いたいけど予算や納期が合うのか」など、気になる点も多いのではないでしょうか。

本記事ではチーク材の特徴を始め、利用の際のメリットやデメリットを解説。予算や納期が合わないと考える方に向けて、代用となる木材についても紹介します。

チークとは?

チークは東南アジアを原産とするクマツヅラ科の広葉樹です。天然のチークは、インド・ミャンマー・タイ・ラオスに生育していましたが、インドでは伐採により天然林が大きく減少しました。

また、タイでは1989年に天然林の伐採が禁止されています。インドやラオスでも丸太の輸出を禁止しているため、天然チークが生産できるのはミャンマーのみとなっています。現在、日本で流通しているチーク材は、インドネシアやエクアドルでの植林材が中心となっています。

チークの最大の特徴

チークの大きな特徴は、耐水性が非常に高いことです。チーク材は内部にタールを多く含み、油分が水をはじくため、高い耐水性を発揮しています。その耐水性の高さから、古くは船の甲板や内装にも利用されてきました。有名な事例では、豪華客船クイーンエリザベス2世号のブリッジや内装、大型練習帆船日本丸の甲板にも利用された記録があります。

三大銘木のひとつと言われる理由

チークは反りや割れに強い耐久性と木目の美しさから「三大銘木」の1つに数えられ、高い評価を受けています。耐水性の高さの要因でもある木製タールの効果によって、塗装をしなくても摩擦に強く、材質の経年劣化が少ないという特徴もあります。また、肌触りが滑らかで、酸化や腐食にも強いという点も、チーク材が銘木として評価される理由でしょう。

チーク材の主な用途

チークは耐水性の高さから、古くから船の甲板に使われていましたが、それ以外にも建築材、フローリングなどの内装材、ウッドデッキなどの外装材としても幅広く使われています。建築物での有名な事例としては、日本では箱根にある「富士屋ホテル」のメインダイニングの床材として見ることができます。タイでは、世界最大級の「ウィマンメーク宮殿」が、チーク造りの3層建築として有名です。

チーク材のメリット

チーク材を建築物などに利用する際のメリットは次のようにあげられます。

  • 優れた耐水性
  • 高い耐久性
  • 木目の経年変化の美しさ

それぞれのメリットを詳しく解説します。

優れた耐水性

チーク材の耐水性が高いことは前述の通りですが、チークは水に強いだけでなく、海水などの塩分を含んだ水に強いことも特徴です。現在では、造船には主に金属を利用しますが、デッキなどにチーク材を使うことによって、金属部分の腐食を防ぐ効果があるといわれています。そのため、高級船舶や豪華客船に利用されているのです。

高い耐久性

チーク材が、反りや割れが少なく耐久性が高いといわれるのは、木の密度が高く堅いことが理由です。強い力がかかっても変形や割れが生じにくいことから、大型で重厚な家具に重宝されてきました。

さらに、チーク材に含まれるタールがワックスの役割も果たすため、水分や汚れ、摩擦に対しても強く、手入れも難しくありません。そのため、床材を始め、ダイニングテーブルなどの天板にも利用されています。

木目と経年変化の美しさ

チーク材は、木目の美しさ経年変化で起きる色合いの変化もメリットの一つです。耐久性・耐水性があるため、長い期間、繰り返し利用する床や天板、内装材などに利用されていますが、年を重ねるごとに変化する色合いも楽しめます。

これはチークに含まれるタールが徐々に蒸発することで起きるといわれています。生産されたばかりのチーク材は、比較的薄い色合いに、タールの成分による黒い模様が現れる木目です。経年変化によってタールが蒸発すると、黒い模様が薄くなり、全体的に濃い飴色に変化します。この色合いの重厚感を求めて、古材の需要が高いのも特徴といえます。

チーク材のデメリット

チーク材のデメリットは、次のような点です。

  • 乾燥に時間がかかる
  • 価格が高い

それぞれを詳しく解説します。

乾燥に時間がかかる

チーク材そのものに水分が多く含まれていることから、乾燥に時間がかかることがデメリットとしてあげられます。チークのメリットでもある重厚感は、時間をかけた自然乾燥によって得られるものですが、木材として市場に出るまでに、時間がかかりすぎるのが難点です。

現在はオーブンなどで人工的に機械乾燥させる方法が一般的ですが、それでも水分量の多いチークを乾燥させるには、時間がかかる傾向にあります。

参考:南洋産材の乾燥について|熱帯林業65号

価格が高い

チーク材は三大銘木とも呼ばれるように、高級木材としても知られています。自然乾燥させたチーク材は、耐久性が高いことに加え、重厚感のある色合いに人気があり、高値で取引される傾向があります。

参考:チーク材の価格相場と考え方について|ワールドデコズ

チーク材の代わりになる?|オークやウォールナットとの違い

チーク材はその耐水性や耐久性、木目の美しさや重厚感から、家具や内装材などに使いたいと考える方もいる一方で、納期や価格の面で調整が必要な側面もあります。納期や価格の折り合いを付けるためには、代用となる木材を探すことも必要でしょう。ここでは、チーク材の代用で使える可能性のあるオーク材とウォールナット材について解説します。

オーク材の特徴

オーク材は、北米、ロシアなどを原産とするブナ科の樹木で、日本ではナラやカシと同じ種類です。オークは世界中に200種以上の異なる種がありますが、その中でもアメリカンホワイトオークと呼ばれる種類は、良質な木材とされています。アメリカンホワイトオークは、木の中にタンニンを多く含み、高い防虫効果と腐食に強い特徴をもっています。頑丈で耐久性にも優れていることから、ウイスキー樽やワイン樽としても古くから重宝されてきました。

参考:家具によくつかわれる木材について|KANADEMONO

ウォールナット材の特徴

ウォールナットはアメリカ原産のクルミ科の広葉樹です。樹幹がまっすぐに伸びていることから製材時に廃材が出にくく、コストパフォーマンスの高い木材といわれています。オークと同じように木にタンニンを多く含むため、優れた耐久性と防虫効果を発揮します。また、落ち着いた色合いと重厚な木目が魅力的でもあります。

ウォールナットはマホガニー、チークと並んで三大銘木と言われる樹種で、程よい硬さと加工しやすさで、家具の材料や化粧単板として利用されています。

参考:ウォールナット|木材博物館

チーク材との共通点と違い

3つの木材に共通する特徴は、次のような点です。

  • 耐久性と防虫効果に優れている
  • 加工しやすく、変形や割れを起こしにくい
  • 美しい木目と重厚な経年変化がある

このような特徴から、チーク材の代用として利用できる可能性を持っているといえます。一方で、耐水性はチークに軍配があがります。内装材や家具など、屋内で使用する場合はオークやウォールナットでも代用できる可能性があるでしょう。

また、経年変化の色合いには、違いがあります。チーク材は全体的に飴色に変化しますが、オーク材は個体によって色合いには差が出ます。ウォールナット材は、艶のある濃い褐色になるのが特徴です。代用する場合は、好みで使い分けるのが良いかもしれません。

まとめ

本記事では、チーク材の特徴と、チーク材の代用となる木材について解説しました。チークは三大銘木の一つとも呼ばれ、優れた耐水性と高い耐久性に加え、美しい木目と重厚な経年変化が楽しめる木材です。一方で、乾燥に時間がかかることや、その希少性によって価格が高いことから、納期や予算の面で調整が難しいこともあるかもしれません。

そのような時には、オーク材やウォールナット材が代用として利用できる可能性があります。使用する場所や製品によって、色合いや特性を合わせて適材適所で使い分けてみるのはいかがでしょうか。

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