静岡県産材とは?補助金制度・2026年最新動向から見る木材利用の実務ポイント

eTREE編集室

静岡県産材は、住宅や公共施設を中心に利用が進められてきた地域材です。

とくに2026年に向けては、国の木材利用政策や県の施策更新により、制度の整理がより重要になっています。

本記事では、静岡県産材の定義から、優良木材制度、補助金の全体像、代表的な事業、実務での活用ポイントまでを一つずつ整理し、現場で説明・判断しやすい形でまとめます。

静岡県産材とは「静岡県内で伐採された木材」

静岡県産材とは、静岡県内の森林で育成され、県内で伐採された木材を指す言葉です。制度上は「静岡県産木材」「県産材」と表記されることもあり、いずれも同じ概念として扱われています。

この定義は、加工地や流通経路よりも、森林資源の所在を重視している点が特徴です。県内の森林資源を循環的に利用し、伐って・使って・再び育てる流れをつくることが、静岡県産材施策の基本的な考え方になります。

静岡県は人工林率が高く、スギ・ヒノキを中心とした資源を有しています。県産材の利用は、単なる地産地消にとどまらず、森林整備や林業経営の持続性を下支えする役割も担っているのが特徴です。

参考:静岡県産材利用推進協議会のご案内 | 静岡県森林組合連合会
参考:静岡県産材証明制度の仕組み | 静岡県

しずおか優良木材と静岡県産材の違い

静岡県産材と混同されやすい制度に「しずおか優良木材」があります。
両者は重なり合う部分を持ちながらも、制度上の位置づけが異なります。

参考:しずおか優良木材供給センター

しずおか優良木材の特徴

しずおか優良木材とは、静岡県産材のうち、一定の品質基準と生産・流通管理基準を満たした木材を指します。強度や含水率、合法性確認といった項目について、定められた基準で管理されている点が特徴です。

この制度により、設計者や施工者は品質が担保された木材を選択しやすくなります。施主に対しても、性能や信頼性を説明しやすいことがメリットといえるでしょう。
つまり、しずおか優良木材は「静岡県産材の中でも、品質と管理を明確にした木材」という位置づけになります。

参考:しずおか優良木材供給センター

静岡県産材の特徴

一方、静岡県産材は品質区分を限定しない広い概念です。県内で生産された木材全体を対象としており、用途や等級は多様です。
この柔軟さにより、構造材だけでなく、内装材、下地材、外構材など幅広い用途で活用できます。必ずしも高性能材である必要はなく、適材適所で使うことが前提となります。
制度としてのハードルが低いため、地域材利用の入口として位置づけられる点が、静岡県産材の特徴です。

参考:しずおか優良木材供給センター

静岡県産材を活用する目的と背景

静岡県産材の利用促進は、国の国産材利用政策と連動しています。木材利用促進法により、住宅や公共建築物での木材利用が後押しされてきました。
静岡県は森林資源が豊富である一方、林業経営の採算性や担い手不足といった課題も抱えています。木材が使われなければ、森林整備が進まず、資源の質も低下します。
県産材を使うことは、単なる材料選択ではなく、森林整備・林業経営・地域経済をつなぐ行為です。この構造を理解することが、制度活用の前提になります。

参考:地域と地球のために!県産材を利用してみませんか?|静岡県公式ホームページ

静岡県産材に関する補助金制度の全体像

静岡県産材に関する補助金は、住宅分野、非住宅分野、公共施設分野など、用途ごとに制度が設けられているのが特徴です。
新築住宅では使用量や部位に応じた支援が中心となり、リフォームや非住宅では木質化や木造化を促す方向性が見られます。

また、これらの補助金は林業補助金や森林整備事業と直接結びつくわけではありませんが、木材需要を生むことで間接的に森林施策を支えています。

参考:補助金について | しずおか優良木材供給センター

静岡県産材補助金2026のポイント

2026年に向けた静岡県産材補助金は、制度の枠組み自体は継続しつつ、要件や補助額が年度ごとに見直される点が重要です。

とくに注意すべきなのは、対象となる木材の定義や、事前申請・実績報告の手続きです。年度初めに公表される要綱を確認せずに進めると、補助対象外となる可能性があります。
事業者側は制度理解を前提に施主へ説明し、施主側は補助金ありきではなく、木材利用の意義を理解した上で判断することが求められます。

参考:補助金について | しずおか優良木材供給センター

しずおか木の家推進事業の概要

しずおか木の家推進事業は、住宅分野で静岡県産材の利用を促進する代表的な施策です。県産材やしずおか優良木材を一定量以上使用する住宅を対象に、補助が行われます。
この事業は、単に木材を使うことを目的とするのではなく、地域材を使った住まいづくりを定着させる狙いがあります。
他の補助金制度と併用できる場合もあるため、設計段階から制度整理を行うことが実務上のポイントです。

参考:補助金について | しずおか優良木材供給センター

しずおか木使い施設推進事業とは

しずおか木使い施設推進事業は、公共施設や非住宅建築物における木材利用を促進する事業です。対象となる建築物では、静岡県産材やしずおか優良木材の活用が前提となります。
この分野では、設計者、施工者、製材事業者の連携が欠かせません。木材調達の計画性が、事業成立の鍵を握ります。
非住宅分野は木材需要拡大の余地が大きく、今後の重点分野といえるでしょう。

参考:しずおか木使い施設推進事業 | 静岡県森林組合連合会
参考:令和7年度しずおか木使い施設推進事業 | 静岡県林業振興課

静岡県産材フローリング・床材の活用事例

静岡県産材は、フローリングや床材としても活用が進んでいるのが特徴です。スギやヒノキの質感を生かした床材は、住宅・非住宅を問わず採用事例があります。

県産材対応製品としては、ノダなどのメーカー製品や、地域製材所による対応事例が見られます。床材は利用者が直接触れる部位であり、木材利用の価値を実感しやすい領域です。

参考:令和4年度の公共建築物等における県産材利用事例 | 静岡県

静岡県木材協同組合連合会の役割

静岡県木材協同組合連合会は、県産材の流通や品質管理、情報発信を担う中核的な組織です。
事業者や設計者にとっては、制度や県産材調達に関する相談窓口としての役割も大きく、補助金活用時の情報整理にも寄与しています。
森林・木材関係者が制度を実務に落とし込む際の拠点として、重要な位置づけにあります。

参考:県産材情報 | 静岡県森林組合連合会

まとめ

今後の木材利用は、量の拡大だけでなく、どの木をどこでどう使うかが問われます。静岡県産材は、森林資源の持続的利用を支える素材として、重要性を増していくでしょう。

補助金制度はあくまで手段であり、目的は地域の森林と林業を次世代につなぐことにあります。制度を理解し、適切に使いこなすことが、今後の実務に求められる姿勢といえます。

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