木材加工

2023.1.20

外壁材で人気の7種類を丁寧に解説!メリットやデメリットは?

eTREE編集室

住宅の新築やリフォームする際に、外壁材をどの種類にするか悩む人もいるのではないでしょうか。外壁材にはさまざまな種類があるので、それぞれの特性を知って納得できる外壁材を選びたいところです。

この記事では、人気の高い7種類の外壁材をわかりやすく解説しています。外壁材選びの参考になりますので、ぜひ最後までお読みください。

人気のある外壁材は主に7種類

さっそく人気のある外壁材の種類を紹介していきます。多くの人が使用している外壁材は以下の7種類です。

  • 窯業系サイディング
  • 木質系サイディング
  • 樹脂系サイディング
  • 金属系サイディング
  • モルタル
  • タイル
  • ALCボード

まずは、それぞれの特性を表にまとめましたので、ご覧ください。

▼性能

種類防水性防火性耐震性断熱性
窯業系サイディング
木質系サイディング
樹脂系サイディング
金属系サイディング
モルタル
タイル
ALCボード
自社調べ

▼管理

種類耐用年数メンテナンス頻度
窯業系サイディング40年7~8年
木質系サイディング30年7~10年
樹脂系サイディング30年10~20年
金属系サイディング40年10~15年
モルタル30年5~10年
タイル40年10~15年
ALCボード60年10~15年
自社調べ

▼価格帯

種類価格帯の目安(1㎡あたり)
窯業系サイディング3,500円~5,000円
木質系サイディング6,000円~8,000円
樹脂系サイディング7,000円~9,000円
金属系サイディング4,000円~6,000円
モルタル1,500円~4,000円
タイル7,000円~9,000円
ALCボード7,000円~1万5,000円
自社調べ

それぞれの種類について、さらに詳しく解説していきます。

人気の高い「サイディング」とは

人気が高い外壁材の種類を知って「サイディングとはどのようなものを指すの?」と疑問を持った人もいるのではないでしょうか。そこで、外壁材の種類ごとにおける説明をする前に「サイディング」について簡単に説明します。

サイディングとは、建物の外壁にはりつける板材のことです。あらかじめ工場で作成された「サイディングボード」を必要な大きさに切断し、つなぎ目を埋めていくことで外壁を仕上げます。

手作業で壁に塗っていく「モルタル」と比べて、施工時間が少ないのが特徴です。さらに、施工が簡単であるため工事費用を安く抑えられるメリットがあります。

人気の高いサイディングは「窯業系サイディング」と「木質系サイディング」、「樹脂系サイディング」、「金属系サイディング」の4種類です。以下にそれぞれ詳しく解説していきます。

窯業系サイディング

窯業系(ようぎょうけい)サイディングは最も人気が高い外壁材です。セメントや繊維質を高温・高圧で加工し、色付けしたものになります。

窯業系サイディングのメリット

  • デザインのバリエーションが豊富
  • セメントベースの硬い素材であるため耐震性がある
  • 防火性や遮音性に優れている

窯業系サイディングは需要が高くさまざまなメーカーで製造・販売されているからこそ、年を追うごとに機能の向上が見られます。

サイディングなのでコストを抑えやすいのはもちろん、耐震性・防火性・遮音性などの性能も優れています。

窯業系サイディングのデメリット

  • 熱を溜め込みやすい
  • コーキング材のメンテナンスが必要

窯業系サイディングは熱を溜め込みやすく、特に夏場は表面温度が高くなります。小さな子どもがいるような場合は十分に注意しましょう。

また、サイディングの継ぎ目に使用するコーキング材は経年劣化するため、メンテナンスが必要になります。

木質系サイディング

木質系サイディングは、木の温もりを楽しめるサイディングです。主な原料は天然木で、表面には塗装がしてあることが多いです。

木質系サイディングのメリット

  • 天然木の温もりを毎日楽しめる
  • 断熱性に優れているため外気温の影響を受けにくい
  • 健康に良い影響を与える

木は断熱性に優れているため、外気温の影響を受けにくいのが特徴です。冷房や暖房の効率が上がるので、節約にもつながるでしょう。

また、木は身体にいい影響を与える効果があり外壁だけでなく内装に使うことも効果的です。

参考:木材は人にやさしい|林野庁

木質系サイディングのデメリット

  • 水に弱く、腐食や変色につながりやすい
  • メンテナンスの手間やコストがかかる

木質系サイディングのデメリットは、水に弱いため腐食や変色が進みやすい点です。こまめなメンテナンスが必要になるため、そのための時間や費用が必要になります。

一方で、防腐や防蟻といった木材の耐久性を向上させる加工があります。デメリットを払拭したいならそういった加工を施した木材を使用するといいでしょう。

気になる方は、下の記事もご覧ください。

樹脂系サイディング

樹脂系サイディングは外国では多く利用されている地域もありますが、日本では普及していません。主原料は塩化ビニル樹脂で、非常に軽いのが特徴です。

樹脂系サイディングのメリット

  • メンテナンス性が高い
  • 耐久性に優れている

樹脂系サイディングは、メンテナンス性の高さが大きなメリットです。外壁材にあらかじめ色が練りこまれているため、塗り替えのメンテナンスは必要ありません。隙間を補填するシーリング材も使用されていないため、シーリング切れの補修をすることもないです。

そして、耐久性に優れており、ひび割れや寒さにも強いです。

樹脂系サイディングのデメリット

  • 日本では一般的ではないため施工可能な業者が限られる
  • 選べるデザインが少ない
  • 防火性が低い

樹脂系サイディングは日本ではあまり普及していないので、施工可能な業者やデザインバリエーションが少ないのがデメリットです。

また、防火性が低い点もあらかじめ考慮しておく必要があります。

金属系サイディング

金属系サイディングは多くの人から選ばれている外壁材です。表面にはガルバリウムやアルミニウム、ステンレスなどの鋼板が使用されており、軽量なのが特徴です。金属の種類によって性能や費用が異なります。

金属系サイディングのメリット

  • 軽いので建物への負担が少ない
  • 耐震性や断熱性に優れている

金属系サイディングは軽いため、建物への負担を少なくすることが可能です。金属は水を吸収しにくいので浸水する心配はありません。凍害も起こりにくく、断熱性も高いため寒冷地に適した外壁材といえるでしょう。

金属系サイディングのデメリット

  • サビが発生しやすい
  • 変形やへこみが起こる場合がある

金属なので変形やへこみが起こりやすく、サビが発生しやすい点はデメリットです。定期的な点検を行い、10~15年に一度は塗装してメンテナンスしましょう。

デザイン性を重視するなら「モルタル」

外壁のデザイン性を重視するのならば、モルタルを使用することを検討しましょう。

モルタルは工場で製造されるサイディングとは異なり、職人が手作業で壁を塗っていきます。主原料は砂とセメントで「リシン仕上げ」「スタッコ仕上げ」など模様をつけて仕上げることも可能です。

モルタルのメリット

  • 好みを反映したオーダーメイドの外壁に仕上げられる
  • 防火性が高い

モルタルは職人が手作業で壁を塗ってくれるので、好みを最大限に反映した外壁を作れます。だからこそ、塗装工の技術や品質管理が重要になるので、実績のある業者に任せるのがおすすめです。

また、防火性が高いので火災による損害のリスクを下げることが可能です。

モルタルのデメリット

  • サイディングと比べると施工に時間や費用がかかる
  • ひび割れしやすい
  • 汚れやすい

モルタルは職人による手作業なので、時間や費用がかかるのはデメリットです。

また、ひび割れを起こしやすいので定期的な点検はかかせません。ひび割れに気付かず放置していると、隙間から雨水が入り込み、腐食や雨漏りが起こる可能性があります。

経年劣化が少ないのは「タイル」

石や土を高温で焼いて製造されたタイルは、経年劣化が少ないのが特徴です。下地のパネルやモルタルに、タイルをはりつけて外壁を作成します。

タイルのメリット

  • 傷がつきにくく耐久性に優れている
  • 変色がほとんどないので塗り替えの必要なし
  • 他の外壁材と比較してメンテナンスの手間は少なく、費用が割安

タイルの大きなメリットは経年劣化がほとんどない点です。汚れや傷がつきにくく、紫外線による変色もほとんどありません。

「タイルは耐久性が高いからメンテナンスは必要ないのでは?」と考える人もいるかもしれませんが、コーキングの打ち直しタイル洗浄などのメンテナンスは必要になります。ただし、他の外壁材と比較してメンテナンスの手間は少なく、費用を安く抑えることは可能です。

タイルのデメリット

  • 初期費用が高い
  • 浮きや剥がれが生じる場合がある

タイルのデメリットは、他の外壁材と比べて初期費用が高額になる点です。ただし、メンテナンス費用は安く抑えられるので、総合的に見ると割安になる場合もあります。

また、施工不良や劣化が原因で浮きや剥がれが生じる可能性がある点はあらかじめ留意しておきましょう。

断熱性・防火性・遮音性に優れた「ALCボード」

ALCボードは「軽量気泡コンクリート」とも呼ばれる外壁材です。「コンクリート」と聞くと重いイメージを抱きますが、通常のコンクリートと比較してたったの4分の1程度の重さです。

主原料にケイ石やセメント、生石灰、発泡剤が使用されており、高温高圧で蒸気養生しています。

ALCボードのメリット

  • 軽いので建物への負担が少ない
  • 断熱性、遮音性、防火性に優れている

ALCボードは水に浮くほど軽いので、建物への負担を減らすことが可能です。非常に軽量でありながら断熱性や遮音性にも優れており、外からの影響を受けにくいので快適に過ごしやすいでしょう。

防火性に優れているので、火事の被害を少なくすることにもつながります。

ALCボードのデメリット

  • 防水性が低く吸水性が高い
  • 防水性を保つために定期的なメンテナンスが必要

断熱性や防火性に優れているALCボードですが、弱点は水です。ALCボード自体に防水性が全くないため、仕上げ材は防水のものを使用する必要があります。

ALCボードは水や湿気を吸いやすいので、防水性を保つために定期的な塗装を行い、しっかりとメンテナンスすることが大切です。

まとめ

納得のいく外壁材選びのために、種類ごとの特性を理解していただけたでしょうか?

まずは、ご自身が外壁材において何を重視したいのかを考えることが、納得のいく外壁材選びの第一歩です。毎日暮らしていく家だからこそ、温かみのある外壁材を使用したいのであれば、木材を活用した木質系サイディングの活用がおすすめです。また、焼杉の外壁材についても解説した記事もありますので参考ください。

焼杉のメリットデメリットは?自然素材の外壁材「焼杉」の解説

森未来は木材情報を集約したプラットフォーム「eTREE」を展開しています。 その中でも、全国の木材事業者・木材加工業者とのネットワークを生かしたプロの木材コーディネーターがあらゆる木材の調達・加工をお手伝いします。 木材の調達・加工にお困りであればぜひご相談ください。

eTREEでは木材の調達から加工・施工までワンストップでご提案します!

この記事をシェアする

おすすめの記事

おすすめキーワード

eTREEに商品や情報を掲載しませんか?

eTREEでは、木材商品や木材事業所情報をご提供していただける
木材事業者様、自治体様を募集しています。

eTREE情報掲載ご相談はこちら