白樺の特徴を徹底解説!似ている木「ダケカンバ」との違いもあわせて紹介!

eTREE編集室

「白樺にどのような特徴がある?」

「白樺とダケカンバの見分け方はあるの?」

白樺は、高原を代表する樹木であり、樹皮の美しさから、山地の美しい景観を作っています。

本記事では

  • 白樺の概要や特徴
  • 木材としての白樺の特徴
  • 白樺とダケカンバの違い

を紹介します。

白樺の概要

白樺は主に静岡県や福井県以北から北海道までに分布するカバノキ科カバノキ属の落葉広葉樹です。

葉は、卵形で夏は緑色やオレンジ色に色づき、樹皮は白色、小枝は暗紫褐色です。高さは10〜25m程度、直径は20〜50cm程度になることがありますが、大きく成長したものの多くは中心が腐朽していることが多く、倒れやすくなっています。

白樺の特徴

白樺の特徴は、以下の2点です。

  • 土地を選ばず成長する
  • 樹液は甘味料になる

他の樹木とは少し違う特徴をわかりやすく解説します。

土地を選ばず成長する

伐採跡地や山火事跡などの裸地では、他の植物がいないため強い陽光や乾燥、寒さなど樹種によっては通常通り、生育できない場合もあります。

白樺は「先駆樹種」と呼ばれ、他の植物が成長できないような土地でも、真っ先に進入し単独で成長します。白樺のように強い陽光のもとで育つ樹種を「陽樹」と呼びますが、成長が早い反面、寿命が短く、数十年程度です。

また、陽樹はその場に種子を落としても、自らが形成した林によって子孫が育ちません。緑化計画を立てる際は、日陰で育つような樹種を同時に育てる工夫が必要とされています。

樹液は甘味料になる

白樺の樹液には「キシラン・ヘミセルロース」という糖分が含まれています。

キシラン・ヘミセルロースは加工することで砂糖と同程度の甘みがある「キシリトール」という人工甘味料になります。

虫歯は「ミュータンス菌」と呼ばれる虫歯菌が、糖分を分解し酸を産生することで歯を溶かし、発生しますが、キシリトールはミュータンス菌に分解されません。

商品の味を損なわず虫歯予防になるとして砂糖の代用品として、タブレットやチューイングガムに使用されています。

木材としての白樺

白樺は小さい木が多く、一般的に木材として使用されることはなく、美しい見た目から、観賞用としての価値の方が有名です。

丸太となっているものでも、菌による影響を受けやすく変色しているものも多数あります。木材の硬さや重さを表す「気乾比重」は高い値ではなく、一般に出回っているものは軽くて軟らかいものが多いため、耐久性が高いとはいえないでしょう。

しかし、樹皮が特徴的で特有の味があるため、樹皮を活かした器、観光地の細工物など小物には多用されています。また、細かく切断し一枚に加工する「パーティクルボード」の原料や紙の原料である「パルプ」にも使用されています。

無垢材としての使用よりは、加工後に使用されることが多い樹木です。

【どっち?】白樺に似た木「ダケカンバ」との違い

ダケカンバは、シラカバ同様、カバノキ科の植物であり白っぽい幹をしているため、遠目には見分けがつきにくい樹木です。

よく似た2種類の樹木を見分けるためのポイントは以下2点です。

  • 葉の形

見分け方をわかりやすく解説します。

幹・枝

幹や枝の色によって別れています。

白樺の成木は白いが、幼木は黒いため、新しく生まれてくる枝は黒色をしています。対して、ダケカンバは新しく生まれてくる枝も幹と同じで白色です。また、白樺の樹皮には「べチュリン」という白い粉が吹き出したように付いています。

幹に触れてみて手に粉がつくかどうかでも判断できます。

参考:シラカンバはなぜ白いのか|一般社団法人日本植物生理学会

白樺とダケカンバの葉の違いは以下のとおりです。

  • 白樺:先端が尖っているくさび型。葉脈の数は5〜8対。
  • ダケカンバ:三角状卵型、葉はギザギザ。葉脈の数は7〜12対。

また、ダケカンバの幼い葉は凍結に弱いため、他の広葉樹の葉が開いていても裸木です。

そのため、寒冷地では葉がついているかも見分けるポイントになります。

白樺によるアレルギーとの関係

白樺は、風媒花であるため花粉症の原因になることに加えて、白樺アレルギーを持っている方が「豆乳」を飲んだ場合も、アレルギー症状を発症する事例が報告されています。豆乳に含まれているタンパク質が、カバノキ科の花粉と似ているためです。

大豆以外にも、りんごやさくらんぼ、びわなどバラ科の果物にも似たような成分が含まれています。

豆乳やバラ科の果物を摂取して喉のかゆみや蕁麻疹がでる方は口腔アレルギーを発症する恐れがあるため、注意が必要です。ただし、重篤な方の場合、稀に発症する可能性もありますが、大豆中のアレルゲンは熱や発酵などの処理で不活性化しやすいため、納豆や豆腐などで症状がでることはありません。

参考:豆乳等によるアレルギーについて-花粉症(カバノキ科花粉症)の方はご注意を-|独立行政法人国民生活センター

まとめ

白樺は、他の植物と比較しても珍しい、樹皮が白色の樹木です。

高原の樹木のため、身近な樹木ではありませんが、甘味料としても使用されており、間接的に私達の生活を支えてくれています。また、木材としては耐久性が低いため、工芸品やインテリアなど観賞用として使用されています。

DIYに使用する際は、家具や建材として利用するのではなく、写真立てや置物など強い耐久性が要求されないようなものに使用しましょう。

また、森未来では内装に白樺を使った案件も手掛けています。気になる方は、ぜひ、お問い合わせください。

関連記事:「銀座に白樺の森を表現したい」化粧品店の白樺ディスプレイ

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