木材加工

2023.3.3

木質系塗料の選び方|塗料の効果や特徴を紹介

eTREE編集室

「塗装って色を変える以外に意味あるの?」

「DIY作品を塗装したいがどの塗料を選べば良い?」

上記のような疑問をお持ちではありませんか?

無垢材を利用し塗装加工をしていないDIY作品もありますが、塗装することで木材が保護され耐久性を上げられます。

本記事では、

  • 木質系塗料の概要
  • 木質系塗料の効果
  • タイプ別のおすすめ木質系塗料

を解説します。

DIY作品をより長期間使用したい方、色味を変えて心機一転したい方は、ぜひ参考にしてください。

木質系塗料とは、木材の寿命を延ばすために使用する木材保護塗料

天然木は、室内であっても湿気や気温の変化などによって、使用できる寿命が短くなり、特に屋外に設置していると、雨風や紫外線の影響によって高確率で傷みます。しかし、木質系塗料を塗布しておけば耐久性を持たせ、寿命を延ばすことが可能です。

DIYやハンドメイドなどで木材作品を制作する場合、木質系塗料を塗布しておくことで、長年使用可能になり、より愛着が湧くようになるでしょう。

木質系塗料の効果は「防水」「防腐」「ヤケ防止」

木質系塗料によって、期待できる効果は以下の3つです。

  • 防腐効果
  • 防水効果
  • ヤケ防止効果

湿気に強いものもありますが、基本的に木材は湿気に弱い素材のため、湿った状態が長期間続くと腐敗します。木質系塗料には、防水性の高いものもあるため、木材に湿気が入り込みにくくなり、腐敗を遅延させられます。

木質系塗料によって必ず腐らなくなるわけではありませんが、見た目も美しい作品で居続けるために必要な工程です。ただ、木質系塗料も時間の経過によって効果が弱まっていきます。

効果を最大限に発揮できるよう、定期的な塗り直しやメンテナンスを行いましょう。

また、木材の表面を塗料で覆うことで、直接紫外線を浴びることがないため、変色予防の効果もあります。

水性塗料と油性塗料

木質系塗料は木材を保護する成分として、以下の3つが含まれています。

  • 顔料:着色成分
  • 樹脂:木材表面に塗膜をつくる
  • 添加剤:防虫や防カビ効果

木材保護のために含有されている成分は同じですが、塗料として1つにまとめる際の溶剤によって水性か油性で分けられています。

水性塗料は文字通り、溶剤に水を用いたものです。対して、油性塗料は溶剤に有機溶剤を用いています。

溶剤そのものは、塗装後に塗料の乾燥に伴い蒸発しますが、蒸発後の状態によってさらに分別されています。使用する用途によって使い分けられるよう次章で紹介する3種類の塗料を把握しておきましょう。

塗料の種類

塗料には以下3タイプがあります。

  • 造膜タイプ
  • 半造膜タイプ
  • 浸透タイプ

塗料の種類によって特徴が違うため、制作する作品によって使い分けましょう。

造膜タイプ

造膜タイプは、塗布した面に膜を張り、塗膜を張ります。

塗膜が張られることで表面がコーティングされ、木材をしっかりと保護できますが、全ての表面を塗膜が覆うため、木目や質感など木材が持つ良さが引き出せません。

また、木材は膨張と収縮を繰り返すため、伸張性のない塗膜は耐えられず割れやすいという弱点もあります。

塗膜がひび割れ、湿気や雨水が侵入することで木材が腐りやすくなります。

浸透タイプ

浸透タイプは、木材に浸透し保護成分によって木材を保護します。

表面に塗膜ができず木目や質感をそのまま活かすことができるため、木材の良さを引き出したい場合に使用されます。しかし、水分をはじくことはできないため、造膜タイプと比較すると耐久性は低いでしょう。

環境にも影響されますが、塗膜タイプよりもメンテナンスの回数は増加するため、手間をかけたくない場合には選択肢から外しましょう。

半造膜タイプ

半造膜タイプは、造膜タイプの防水希望と浸透タイプの保護機能を兼ね備えています。木目の良さを感じながら木材保護もできるため、これからさらに普及するでしょう。

しかし、多少の塗膜はできてしまうため、違和感を覚える点はデメリットといえます。紫外線や雨水を防ぐ機能を兼ね備えているため、外壁やウッドデッキなど外部に使用される木材への使用に適しています。

おすすめの屋外用木質系塗料

屋外には、紫外線や雨水など木材を劣化させる要因が多く存在しています。そのため、屋外用の木質系塗料は、屋内用と比較するとより強力な効果を得られるものが多いです。

その中でも、木材を腐食や虫食いなどの被害から守るためのおすすめ商品を紹介します。

【造膜】ローズガーデンカラーズ エナメルタイプ|ニッペホームプロダクツ

「ローズガーデンプロダクツ エナメルタイプ」は、34色の豊富なカラーバリエーションから、気分や周りのインテリアや庭に合わせて選択し、統一感をもたせられます。造膜タイプのため木目は消失しますが、光沢感のある仕上がりに仕上げたい方におすすめです。

また、色を完全に変えてしまうため、木目に飽きたという方が思い切って色を変えることも可能です。耐水性や耐候性に優れており、鉄部にも塗布できるため、木材と色を合わせることも可能です。

参考:ローズガーデンカラーズ エナメルタイプ|ニッペホームプロダクツ株式会社

【浸透】油性木部保護塗料|カンペハピオ

「油性木部保護塗料」は、「UVカット効果」を持っており紫外線によるヤケを防止します。

直射日光が当たりやすい外壁やウッドデッキなどにおすすめです。UVカット以外にも防虫や防腐、防カビなど多くの効果を持っているため、1つの塗料で木材をしっかりと守ることができます。

浸透タイプであり塗膜を作らないため、木材の持つ自然な暖かみを引き立たせることが出来ます。

参考:油性木部保護塗料|カンペハピオ

【半造膜】キシラデコール ウッド|大阪ガスケミカル

「キシラデコール」は、木材の保護塗料としてメーカーシェア1位を誇るブランドの塗料です。国立競技場熊本城などの重要な建造物の塗装にも使用されています。

「キシラデコール ウッド」は、柔軟性や通気性、密着性などの効果が高く、業界最高クラスの耐久性を与えられます。

また、半造膜の塗料であるため、木材に浸透し内部から効果を発揮しつつ、余分な塗膜を張ることなく、木目を活かしながらの塗装が可能です。

まとめ

木材は、紫外線や菌、虫などによって徐々に劣化が進んでいくため、寿命を延ばすためには、塗装工程は必須です。しかし、塗料によっては木材の良さである木目を全て消してしまうものや、大きく色が変化してしまうものもあります。

本記事を参考に、自分の制作したい作品や塗装したい製品にあったものをきちんと選択しましょう。

また、様々な塗料の種類についても知りたい方はこちらも参考ください。
DIY必見!木材塗装のやり方から塗料の種類や特徴まで徹底解説

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